提案文が通らないのは実績ではなく【その先】が見えていない可能性。ライティング案件での一歩先を見据えた追加提案戦略

Webライターがクラウドソーシングの案件に応募する際によく言われるのは、

「応募する前にその募集を行っているクライアントの発注履歴を見て、評価の数や高さ、悪い評価などをチェックしよう。」

という文章です。

ライター向け攻略記事などでよく言われているので、もはや見飽きているかもしれません。

ただ、皆が口を揃えて言うだけあって、これは【非常に重要な要素】です。

悪質な案件や、トラブルに巻き込まれるリスクを未然に防ぐためにあらかじめ行うべき必須事項と言えます。

しかし同時に、それ(悪質か否かの判断)のためだけに見ているのであれば、それは機会的損失をしていると言わざるを得ません。

なぜなら、さらにもう一歩先を見る事に、提案文の質の向上、ひいては採用率を高める可能性を秘めているからです。

というのも、発注履歴から得られる情報は悪徳か否かだけではありません。どんな提案文を送ればいいかの答えが書かれた【カンニングペーパー】としても使うことができます。

今回は、過去の発注歴から先回りしてアプローチすることで、仮にその募集に落ちたとしても、別件で採用される可能性を高める。

【実質、1回の応募で2件の案件に応募できる状態】を作り出す追加提案の種まき術についての紹介です。

1.「悪徳業者か否かの判断のために発注履歴を見よう」よく言われているが大事なこと!要チェック!

「募集へ応募する前に発注者の発注歴や評価を見よう」

これはよく言われていますが、その理由はそのクライアントが悪徳か否かを判別するためというのがメインです。

これは、決して間違いではありません。

実際に悪徳性のあるクライアントの場合、それを見ることで高確率で判別可能となります。

  • 評価が極端に低い
  • 評価は高いがコメントがマイナスより

等々、発注者が隠せない真実が浮き彫りとなるため、チェックは必須です。

しかし、これだけだと十分とは言えない

たしかに、そのクライアントが悪徳か否かは非常に重要な要素で、今後を左右するほど大きい部分で間違いありません。

しかし、そのチェックのためだけの利用は十分とは言い難い面があります。

というのも、その発注者のアカウント、特に発注歴には【悪徳性以外の要素】も多く含まれているからです。

そして、それをしっかりとチェックすることが採用に影響を及ぼすほどの影響力をもっています。

では、「一体発注歴のデータから何を見抜き、どのように提案文に活かしていけばいいのか」

ここからは、具体的な【3つのポイント】について解説していきます。

2.クライアントの発注歴から見抜く!絶対に見るべきポイント3選!

1.過去に構成や画像など、執筆以外の募集歴があるか

まずは、発注歴をチェックして過去に

  • ブログの構成案作成
  • 記事に挿入する画像選定(アイキャッチ作成)

といった、テキスト執筆以外の仕事を単体で募集した形跡がないかを確認してください。

もしあったなら、チャンスです。

そのクライアントは執筆だけでなく、構成や画像選定など執筆全体を完全に外注に頼っている可能性があります。

つまり、「執筆だけでなく、構成や画像選定など周辺作業もこなせますよ。」という方向でアピールできるということです。

なぜアピールポイントになるか?

それがなぜアピールポイントになるか?というと単純に【手間が省ける】ためです。

もし、

  • 記事構成
  • 執筆
  • 画像選定

この3つの作業を3人で分けたらどうなるでしょうか。

仮にそれぞれとの会話が1往復で済むとしても

  • Aと【記事構成】で1往復
  • Bと【執筆】で1往復
  • Cと【画像】で1往復

このように、異なる3人と1往復ずつ、計3往復が必要です。

しかし、1人の人間が3つこなせるなら1人とそれぞれ1往復ずつ、計3往復で済みます。

一見するとただの3往復に見えるかもしれませんが、意外とこれがクライアントからすると助かるんです。

まず、【コミュニケーションに差】が生まれません。

もし3人とコミュニケーションをすると、全く考え方や価値観、返信スピードが違う【別々の3人】を相手にいちいちチャットページを行き来して、会話の文脈を頭の中で切り替えながら進めることになります。

つまり、精神的疲労や脳への疲労が増大するわけです。

しかし、1人の人間を頼れるならわざわざチャットページを行き来する必要も、相手に応じてコミュニケーションの方法を分ける必要もなく、全員の進捗スケジュールをバラバラに追いかける必要もありません。

3人と1往復ずつの計3往復よりも、1人と各フェーズで1往復ずつ、計3往復の方が圧倒的に楽となります。

だからこそ、もし画像選定やキーワード選定、構成作成など、執筆に関わる周辺作業を個別に依頼しているなら、「そこをケアできます。」とすることが強力なアピールポイントになるのです。

2.過去にWordPress/ワードプレスへの入稿依頼を出しているかどうか

つい先ほど紹介したケースと似ていますが、もし過去に【WordPress/ワードプレス】への入稿依頼を個別に出しているのなら、チャンスです。

というのも、記事作成において意外と労力がかかる作業の筆頭と言えるほどに面倒な作業があります。

それが入稿作業です。

そもそも「ライターが提出した記事をどうやって投稿するのか?」ですが、基本的には提出されたテキストをそのままコピペして完了。というわけにはいきません。

どうしても

  • WordPressの記事作成ページにテキストを貼り付ける
  • 見出しタグを適切に設定していく
  • 重要なテキストに太字やマーカーなどの装飾を施す
  • 指定された場所に画像やリンクを過不足なく埋め込む

というような、地味だが欠かせない、時間のかかる作業が必ず発生します。

一見すると単純作業に思えるかもしれませんが、これを記事が完成するたびに毎回行うのは、クライアントからすると想像以上に「労力と時間」を奪われる負担の大きい部分です。

だからこそ、もし過去に入稿作業を外注している場合は、【アピールポイント】となります。

なぜアピールポイントになるのか?

なぜなら、それらの入稿作業を外注したということはつまり、その作業が面倒であり、クライアント側にとっての円滑な業務を阻む壁となっている可能性が高いからです。

その壁の突破のために、外部へ委託しようとした。その可能性があります。

したがって、その作業をこなせるというアプローチが相手に刺さる強力なアピールポイントとして機能するわけです。

先ほどの作業と同様に、複数の異なる人とチャットページを行き来して文脈を切り替えるのは、発注者にとって大きな精神的・脳への疲労となります。

当然、自分でやるのも疲労となる。

その疲労をケアできるとアピールするからこそ、効果的なアプローチになるのです。

3.過去に特定の職業/資格/経験/体験などを持つライターを募集しているかどうか

発注者には以下のように大きく2パターンが存在します。

1.特定のジャンルのみを募集

2.特定のジャンルのみではなく、いくつか異なるジャンルを募集

基本的にはこのどちらかになるわけですが、もし後者ならチャンスです。

まずは、くまなく【募集歴】を見てみましょう。

なぜなら、過去の募集履歴を遡ってみて、例えば

  • 「不動産」「医療」「転職」といった特定のジャンル
  • 特定の職業・資格・経験を持つ人を過去に募った形跡

などを見つけることができたら、そこに営業チャンスを作る事ができるからです。

例えば、

  • あなたの前職が看護師で、そのクライアントが過去に看護師関連の募集をしているならあなたの力が必要になる可能性があります。
  • あなたが過去に転職したことがあり、そのクライアントが過去に転職関連の募集をしているなら、こちらも同様にあなたの力が必要になるかもしれません。

もしあなたが、上記のような【過去に募集履歴のあるジャンル】について、少しでも【前職の経験や得意な知識】を持っているなら、今回の応募テーマとは全く関係がなかったとしても、提案文の最後に追記しておきましょう。

それが営業として機能します。

一見すると、今回の募集とは関係のない無駄なアプローチに見えるかもしれません。

しかし、クライアントの過去の【カンニングペーパー】を読み解いてこの一言を仕込んでおくからこそ効果に期待できるわけです。

なぜアピールポイントになるのか?

単純に面倒だから。この一言に集約されています。

そもそも、ライターを募集しているクライアントというのは基本面倒くささを日々感じているのが特徴です。

新しいジャンルの記事が必要となる度に

  • 募集文の作成
  • 待つ
  • 提案文の読み込み
  • 決定
  • レギュレーション、ルールなどの共有

などの一連の流れを毎回こなすのは、かなり面倒な作業でしかありません。

だからこそあなたが、「過去に〇〇の経験があります」というように過去の募集案件へ言及してもらえると、募集の手間も省けるし、「じゃああなたにするか」という方向に進みやすくなります。

もちろん、最低限のライティング力や報連相などは当然のごとく求められますが、裏を返せばそれらを満たしクライアントの目を惹く事ができれば採用率を高めることが可能です。

3.仮にその募集に落ちても、許容範囲⁉別件での採用率を高める提案術!

ライターにとって募集案件へ提案してもそのまま落ちるということは決して少なくありません。

しかし、ここまで紹介したようなアプローチを用いれば、

  • 1.単純に採用率を高めることができる
  • 2.仮にその募集に落ちても、別件で採用される可能性を残せる

という2つの強みがあります。

1.なぜ採用率が高まるのか

丸投げできるから

先述しているように、

  • 構成作成をA
  • 執筆をB
  • 画像選定をC

というように複数人に分けて行うのははっきりといって面倒です。

しかしもしあなたが、すべてこなせるならあなた1人で事足ります。

クライアントからすれば、執筆のみ担当できる人間1人よりは、構成から執筆ができる1人、さらにいうならワードプレスへの入稿ができる、そしてさらにいうなら画像選定までできるというように、【プラスアルファ】までできる人の方を採用したいのです。

要は、できればライターに丸投げしてしまいたいという心理を持っています。

だからこそ、あなたが他のこともこなせると伝えることがアピールポイントとして機能し、結果的に採用率に影響するわけです。

当然、最低限の実力は要求されますが、それが備わっているならあなたで問題ありません。

とはいえ、機能しないときはある

とはいっても、それが強みにならないときはあります。

  • そもそも複数人とのすり合わせが苦でもなければコストでもない
  • あなたにそれらをこなせるスキルや経験がない
  • 各担当者がトップクラスの力量を持つ

等の理由があれば、たとえあなた一人でも「そこまでアピールポイントとは…」ということもあります。

しかし、そんな時でも機能する可能性を残せるのが他の案件への種まきです。

2.なぜ別件で採用される可能性が残るのか

1.ライター探しの手間が省ける

先ほどもお伝えした通り、ライターを新しく公募するというのは、非常に面倒です。

新しいジャンルの記事が必要となる度に、

  • 募集文の作成
  • 応募を待つ
  • 何十通もの提案文の読み込み
  • 採用決定
  • レギュレーションの共有

といった一連の流れを毎回イチからこなすのは、発注者からすれば面倒な作業でしかありません。

だからこそ、あなたが

  • 「過去に〇〇の経験があります」
  • 「○○のジャンルが得意です」
  • 「趣味が○○です」

というように過去の募集案件へ言及してもらえると、クライアントからすれば募集の手間を省けることになり、結果的に「(いちから新しい人を探す作業を省略できるから)あなたにお願いしようか」という方向に話が進みやすくなるわけです。

3.既にいるライターに頼めばいいのでは?

ただ、ここで一つの疑問が浮かぶかもしれません。

それは、「新しく公募するのが面倒なら、クライアントが今すでに契約している既存のライターに、そのまま別のジャンルも頼めばいいのではないか?」という疑問です。

確かに、その方が手っ取り早くはあります。

彼らは既にレギュレーションなどを共有済みなので、新規契約を行ったライターとのルールのすり合わせなどが不要となり、手続きなどは楽です。

しかし、発注者側の心理からすると文字通り「言うは易く行うは難し」となっている実態があります。

というのも、既に特定のジャンルや役割のために雇っているライターへの、別ジャンルの執筆の打診というのは、発注者からすると【非常にやりづらい】のが本音だからです。

どうしても

  • 「専門外の仕事を振ったら失礼ではないか」
  • 「もし断られたら、その後のチャットが気まずいな」

このような心理的ブレーキが働くため、クライアント側から既存のライターへ「別のジャンルもやって」とは、意外と声をかけにくいのが実情となっています。

4.そもそもクライアント側もライターに切られる恐怖を抱えていることもある

最悪、切られてもいいと思える技量のライターだったり、すぐに不足ライターを補える状態にあったりするなら問題ないですが、そうでないなら切られてしまうと一時的に戦力が落ち、記事の作成や更新が滞るため、メディアによっては致命的です。

意外と【ライター】と【クライアント】の関係はクライアント優位に見られがちですがその実、クライアント側もライターに切られたらどうしようと思っています。

「今せっかく良好な関係で、クオリティの高い記事を納品してくれているライターに、愛想を尽かされて急に辞められたらどうしよう」となっているケースも多いのが実情です。

特に、そのライターが戦力であればあるほど切られたらどうしようというネガティブな可能性が頭から離れません。

したがって、既存のライターに対して、専門外のジャンルを「書いてほしい」と打診することが、「その人材の流出につながるのではないか?」となってしまい、あまり動けなくなるのです。

そのライターの重宝度が高ければ高いほど、そうなってしまう心理が出てきてしまいます。

そもそも手一杯の可能性もある

さらにいうなら、そもそも既存のライターが既にになっている業務で手一杯というケースも少なくありません。

そんな状態で打診したところで、

  • 追加依頼なら断られるのが目に見えている
  • ジャンルの完全変更だと、先述したような心理的なブレーキがある

というように、大前提として既存のライターに新しい仕事を振る余地が最初から残っていないケースもあります。

ゆえに機能するあなたの提案

だからこそ、あなたが新入りのライターとして提案時点で

  • 私はこの募集案件に対してこんなことができます
  • もし、構成案などが必要ならまとめてこなせます
  • ちなみに前職は○○です。
  • 趣味が○○です

と伝えると、助かるわけなんですね。

採用した後に「あのジャンルのライターを新しく雇いたいな」となった時も、「そういえば、あの新しく入ったライターはこのジャンルを書けると言っていたな」と思い出してもらえる。

仮にその案件で不採用だったとしても、「今回の案件は不採用だけど、せっかくなのでこちらのジャンルでやってみませんか」と裏ルートの声がかかる可能性が生まれる。

その結果、

  • あなたが先に言っておくことで相手からも打診しやすい
  • 採用した後からでもあなたが既に言っているので方針を伝えやすい

というように、すべてのフェーズにおいてクライアント側の「打診の手間と気まずさ」を綺麗に解消させられるのです。

とはいえ、機能しない可能性は常にある

ここまで紹介した過去の募集歴を狙ったアプローチが、どうしても機能しないときはあります。

身も蓋もない話になってしまいますが、その過去に募集されていた別ジャンルのメディア自体がすでに運営を終了していたり、更新が止まっていたりする場合はどうしようもありません。

そのようなケースであれば、せっかく過去の募集歴から種をまいておいたとしても、残念ながら思うような結果は得られないでしょう。

確実に採用される提案ではないからです。

けれど、やる価値が残る

では、「意味がないこともあるなら、わざわざ発注履歴を遡ってアプローチを考えるのは無駄になるかもしれない…」と思ってしまうかもしれませんが、それは違います。

ただ、目の前の案件のためだけの応募と。

発注履歴を踏まえて一歩先を見据えた【構成案作成・画像選定・WordPress入稿などの周辺作業の巻き取り】、もしくは前職や得意ジャンルの経験込みのプラスアルファをしっかりと盛り込んで応募するのと。

この2つでは後者の方が採用率を高めることが可能です。

そもそもとして、

  • その案件への意気込みや実績の開示

に加えて、発注歴を踏まえた

  • 周辺作業の巻取りの提案
  • 前職や経験の情報提示

さらにはその両方を踏まえた提案文を作って応募し、採用まで行かなかったのなら、それは単純に縁がなかっただけです。

限りなく採用率を高め、ただその案件に応募する以上のものを提示して落ちたのなら、それ以下やそれ未満はその時点で落とされている。

つまり、ただ応募するだけなら当然そのまま落ちているはずです。

やるための追加コストは、数分間ほどを使って過去の履歴をスクロールする手間だけ。

その最低限の行動が採用の可能性を限界まで広げ、仮に落ちても未来の別件採用の確率を残せる。

であれば、やらない選択肢はないでしょう。

まとめ

今回は、提案文が通らない人が見落としている、クラウドソーシングの発注履歴を【カンニングペーパー】として使い追加提案を行う提案術について解説しました。

Webライターにとって、募集案件へ提案してもそのまま落ちるということは決して少なくありません。

倍率が膨れ上がりやすいクラウドソーシング×Webライターの世界では、どれだけ完璧な文章を書いても不採用になることはあります。

しかし、ただ発注履歴を「悪徳か否か」を判断するためだけに使っているなら、まだ改善の余地があるはずです。

ただただ「悪徳か否か」を判断するためだけに見られがちな発注履歴から、【一歩先】の要望を見抜き、それに応じたアプローチを行うことで、採用率が劇的に変わります。

【発注履歴から仕込むべき周辺作業の巻き取り・種まき】

  • 【構成案・画像選定の巻き取り】:異なる複数人とやり取りするクライアントの【コスト】を解消できることを先回りしてアピールする。
  • 【WordPress入稿の巻き取り】:クライアントの円滑な業務を阻む【日々の業務における壁】の破壊をアピールする。
  • 【前職や得意ジャンルの経験の種まき】:新規ライターをイチから募集して育てる【面倒さ】や【コスト】【手間】+既存ライターに別ジャンルを頼む【気まずさ・万が一の可能性】に縛られているクライアントに自ら手を挙げる。

これらを提案に盛り込むことで、


1.単純に採用率を高めることができる
2.仮にその募集に落ちても、別件で裏ルート採用される可能性を残せる


という、2つの強力な強みを手にすることができます。

必ずしも採用されるわけではなく、機能しない可能性とは常に隣り合わせです。

しかし、やっておいて損はありません。

少しで採用率を高める。そのためにぜひ試してみてください。

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